雑木と小道を楽しむ庭 ~施工事例

静かな住宅街で、中古住宅をリフォームして住まわれているお客様。
庭には前の持ち主の方が植えていた植物たちが茂っていました。
生かせる植物はなるべく残しつつ、自然な雰囲気がお好きなお客様からのリクエストから、涼しげな雑木を中心とした自然な雰囲気のお庭をめざしてプランしました。

道路に面した駐車場脇のスペースは、西向きで日当りがよく、こちらのお宅の顔になる場所。奥行き感を出し、日々の手入れがしやすくなるように自然石の小道をつくることにしました。


施工前のようす
イギリス・ヨークシャー産のあめ色の乱形石を、職人さんが1枚ずつ形を整えながら敷いていきます。
この石は厚みがあるので、目地を深くとってより自然な風合いの石の小道に仕上がります。

小道の脇にはアオダモ、ソヨゴ、ツリバナ、ナツハゼなど株立ちの雑木を、その株元にはミツバツツジやシモツケなどの低木、ギボウシなどの宿根草を植えました。

玄関を出て毎日ここを見る時に雑木林の中にいるような、深呼吸したくなるようなイメージをふくらませながら・・・

もともと植わっていた下草は生き生きしているものが多かったので、株分けや間引きしながら、新しい植物と組み合わせてできるだけ残しました。

植物たちは正直に、その場所が好きかどうか、全身で表現して教えてくれます。
無理をさせるとまた正直に、だんだんおとろえて消えてしまうもの。
自然にはあらがえないなぁ、と草花を育てていて感じます。

小道の奥は、建物脇で細長く、あまり日当りのよくない場所。コンクリートの平板の飛び石の脇に、カイヅカイブキが並び、足元にはシダなどが生えていました。
1階の部屋の窓からの眺めを、外からの視線が気にならず緑が楽しめる風景にしたいとのご要望から、目隠しになる木製フェンスを建て、日陰を好む植物たちを組み合わせて、しっとりした空間づくりをめざしました。
既存の平板は、ゆるやかなラインに配置し直して再利用しました。





フェンスの手前には、やさしい枝ぶりのコハウチワカエデとハイノキ。
足元にはツワブキ、トクサ、ヤマアジサイなどとと、もとから植わっていたシダやヤブソテツ、そして庭石。
そこにあったものを配置し直してどう活かすか、それが庭づくりの大きな楽しみでもあります。

冬を越して、力をたくわえた植物たちが、春からどんなふうに育っていくのか、想像するとわくわくします。

お客様と職人さんたちと一緒に、また楽しい庭づくりさせていただきました!