高低差を楽しむ庭 ~施工事例

またまた投稿が1年越しになってしまいました…。
自分も呆れるスローペースですが、こつこつとお仕事しております。

さて今回は、2014年にお庭のリフォームをさせていただき、
その後毎年お手入れに入らせてもらっているお庭を紹介したいと思います。

高低差のある敷地で、アプローチ階段を上ったところに建っているお宅。
中古住宅を改装してセンスよく住まわれている、植物好きなAさまご夫妻。
アプローチ両側や階段脇の石積み斜面、
リビングに面して開けたスペースなど、
ガーデンとして楽しめる場所が各所にあり、それぞれに日当りのよい・悪い、
水はけのよい場所・悪い場所、と条件はさまざまなので、場所ごとに植栽テーマを
決めてプランを考えていきました。

まずは門を入って伸びる細いアプローチ。
既存の平板敷きやツツジなどの一部は生かし、半日陰を好むヤマアジサイや
ヤツデ、アジサイ・アナベルなどを加えました。

右へ上って行く階段脇の石積みの斜面は、行き帰りに毎日目にする大切な見せ場。
隣家の日陰に入る時間が多いこの場所には、インパクトをもたせようと
主に常緑の、葉の色や形が個性的なカラーリーフを組み合せました。


さらに上段の斜面は植物越しに主庭が見えてくる、次のワクワクシーン。
比較的日当たりよいこの場所には、葉や枝が斜面からこぼれるように
斑入りのグラスやアベリア、オウゴンシモツケなどを配置しました。

階段を上ると眼上には昔から植わっていたキンモクセイ。
この木はかたちを整えながらシンボルとして育てていくことに。

日当たりがいちばん良い玄関とリビング前は、ご主人の植物コレクションとハーブエリア。
伺うたびに鉢コレクションが増えたり変化の楽しい場所になっています。

リフォーム前




水栓まわりの秋の色どり。
さりげない日々のお手入れが感じられます。

キンモクセイの株元には多種類の宿根草を植えたのですがが、
どれも大きく育たないのが長いあいだの疑問でした。
昨夏ご主人がここを掘り返したところ、古いコンクリートの池が出てきたと!
池を解体撤去したご主人のご苦労に応えて
来夏はきっと植物たちが育ってくれるはずです。
四季折々に変化してゆく主庭の風景。




月日とともに枯れるものは枯れつつも育っていく植物たちと
ご夫妻が手を入れて年々素敵になっていく景色を楽しみに、
またお邪魔したいと思います。